微生物分解の重要性

なぜ微生物を使うのか?

廃棄物や汚水・汚泥など人間が活動する上で排出されるさまざまなゴミは古くは海洋や山林への投棄で済まされてきましたが、工業が発展した現代において日々発生する膨大な量のゴミを投棄することは、ゴミを処分しきれないだけでなく、重篤な環境汚染を招く結果になりました。

そこで、人間が生み出したゴミは人間が片付ける「廃棄物処理」という課題が新たに発生しました。ゴミを燃やして灰にする焼却処理、薬品を使ってゴミを減容・無害化する化学処理、燃やすことも薬品処理も出来ないものは埋め立て処分……多種多様な廃棄物処理法が使われる中、微生物や植物による環境浄化──バイオレメディエーションが注目されています。

低エネルギーで、完全分解。
地球に負担をかけない究極の「リサイクル」。

焼却処分では廃棄物を燃焼させるために石油や石炭などの化石燃料を大量に使います。これは貴重なエネルギー資源を消費するだけではなく、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを大量に発生させてしまいます。
化学処理も同じく、ゴミの分解のために新たな薬品を投入しなければならず、また投入した薬品を中和させるために別の薬品を使わなければならないケースもままありました。
これら従来の物理的・化学的手法はゴミを処分するために新たなゴミを発生させてしまうという悪循環を招き、コストの面から見ても非常に大掛かりなものとなっています。

バイオレメディエーションは微生物による環境修復技術と言われていますが、微生物が有機物を分解するという自然界の浄化作用そのものを利用するため、焼却や化学処理に比べエネルギー消費やCO2発生量が少なく、環境や生態系への影響も最小限です。また廃棄物の種類によっては、分解によって発生した無機物を植物の肥料として利用することで完全なリサイクルが期待できます。

微生物を使う浄化法は自然の理であり、究極の浄化法なのです。


 
BIO-RESEシステム-微生物による排水処理技術-大阪生物環境科学研究所
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